こんにちは。所長の辻です。
今回は情報セキュリティーの基本の一つでありながらおざなりになりがちなバックアップについて取り上げたいと思います。
まず情報セキュリティーの原則として
・Confidentiality(機密性)
・Integrity(完全性)
・Availability(可用性)
通称情報セキュリティーのCIAと呼ばれております。
バックアップこの3要素のどれを満たすかというと完全性と可用性です。また、このバックアップデータを暗号化すると機密性が満たされますので3要素すべてを満たすことになります。
あえて、暗号化を取り扱わなかったのは、個人や小規模事業者の場合、バックアップを1台の大容量ハードディスクで行った際、そのハードディスクが破損した際、データの回収が非常に困難になるためです。もちろん暗号化をしていただく事によりセキュリティは向上しますので、お勧めしますがその際は複数のハードディスクで構成されたRAID1という機能が搭載されたNASをご利用した方がよいかと思います。ただその際、外付けハードディスクよりは高価になってしまいますのでどの程度の予算をご用意できるかによって対策が変わってきます。
まずバックアップの主要要素である完全性と可用性ですが
・完全性:万が一のパソコンハードディスク障害の際、主要なデータが完全に復旧できる
・可用性:どのタイミングでもデータの復旧が可能である
正直なところを申し上げるとパソコン内のハードディスクというのはいつ壊れるかというと
わからない
というのが実情です。よくハードディスクの寿命は5年と言われますが、あくまでも平均値であり、それ以上に長持ちする場合もあれば、買ってから1~2年後に壊れることもあります。これは使い方、条件など複雑な要因に影響されますので、一概にこのメーカーを買えば何年持つとは言い切れないのが実情です。
そういう中、データというのはいろいろな形で蓄積されていきます。
・写真
・音楽
・Officeソフトで作ったファイル
・動画
・等々
気づかぬうちにたまっていくものです。
よく聞く話だと自分はバックアップは取っていると聞きますがどの様に取っているかということを聞くと不定期に外付けハードディスクにコピーするというやり方が非常に多いです。
このやり方だと非常に面倒ですし、忘れたり、あるいは復元しようと思ったらかなり昔のデータである可能性があります。
この様な事態を避けるためにもWindowsやMacに搭載されている自動のバックアップ機能を使うことで大幅な手間を削減することが出来ます。
では具体的になにが必要になるかというと
・外付けハードディスク
→PC1台に対して有効だが複数台ある場合はパソコンと同じ数の外付けハードディスクを用意しなければならない
→初期費用が安い
・NAS
→PCが複数台ある時はこちらの方が便利だが、設定が面倒である
→ハードディスクが1台のものから複数台でRAIDというものが組まれているものまである
→ハードデイスク1台で構成されたものであれば外付けハードディスクとあまり変わらないが、複数台のものになるとかなり高額になるものまである
・クラウドサービス
→ハードディスクなどのメンテナンスや保有をしなくても良い
→Office 365 Solo加入者かつWindows 10利用者であれば主要なデータフォルダーは最大1Tbまで自動的に同期される
→毎月の利用料が発生する
どれを利用するかによって対策も変わってきますが大抵は外付けハードディスクまたはNASで行うのが最もやりやすいのではないかと思います。
ではこれらを使用する際のOSの機能としては
Windows 10:バックアップ
MacOS:Time Machine
これらを設定するだけで手間なく、安心して、バックアップができます。
注意する点と致しましたら、Mac+NASをご利用の方は必ずNASがTime Machineに対応しているか確認してください。対応していないとバックアップが取れない恐れがあります。また2台以上同時にTimeMachineによるバックアップができないこともあります。
バックアップのやり方が難しい、どこから手を付ければいいのかわからないという方は、当研究所にご相談ください。訪問設定も行っておりますし、まずはどのような環境なのかという調査から始めますので、より適切なバックアップの方法をご提案できるかと思います。